9/30/11

Nuts 4 Nuts

私が初めて訪れたニューヨークの旅を思い出す時に、必ず漂ってくるのがストリートに溢れていた、甘ーいカラメルの様な香り。ストリートのあちこちで見かける、ローストナッツの屋台。小さな手押しカートの中に備え付けられた半円形のロースターで、器用にナッツをローストしていく。その時に漂う、あのなんとも言えない甘くて香ばしい香りに出会うと、初めて訪れたニューヨークのことを思い出す。

9/23/11

Smoke


Smoke (1995) directed by Wayne Wang


私の大好きなBrooklyn映画の一本。設定は、16th Street and Prospect Park West.の角にある小さなタバコ屋、Brooklyn Cigar Co.に出入りする客たちの、大小様々なドラマを描いている。実在するタバコ屋ではないそうだけど、Brooklynにセットを立てて、全編撮影された紛れもないBrooklynムービー。95’頃のSouth Park Slopeの記録でもあると思う。映画の中に流れるJazzもまた、劇中でてくる煙草の煙と同様に、独特の空気感とリズムを演出していると思う。クレジットを見ていて気づいたが、プロデューサーの一人に、日本人女性のHisami Kuroiwaという方が名を連ねている。自分が大好きな映画に、日本人が携わっていたことを知って、うれしくなった。



9/22/11

バナナチップス・ラブ

バナナチップス・ラブ(1991) フジテレビ系
監督・脚本 高城 剛
音楽 藤原ヒロシ、Dub Master X


1991年〜2年にかけて、フジテレビの深夜に放送されたTVドラマ。全編NYロケ。今思い出しても、かなり偏ったサブカル系の実験的なドラマだったのではないかと思う。主演は、松雪泰子。彼女の初主演作品だったと記憶している。当時、19歳で東京でファッションを勉強していた私は、毎週欠かさずにこのドラマを見ながら、行った事のないNYの街とそこで繰り広げるはちゃめちゃな日々に、ちょっぴり憧れながらも、ものすごーく遠くに感じていたように思う。当時は、ちんぷんかんぷんだったことが、今見るとなかなか面白く見る事ができる。また、ストリートロケがかなり多いので、1991年のNYの街の記録にもなっていると思う。


主題歌はオリジナル・ラブの「月の裏で会いましょう」。当時、ジナラブなんて呼ばれていたっけ。田島貴男のメローな歌声とグルービーなサウンドが、とてもかっこいいと思う。今でも、湯船に浸かって歌う鼻歌ベスト10に入る大好きな曲のひとつ。

9/19/11

ニューヨークみやげ #3


編集者A君へ
薬局系リップクリームのCarmex
スティックはちょっと恥ずかしいという男子に


乙女な友Yちゃんへ
レトロな缶がかわいい
Rose Bud社のリップバーム
甘〜いストロベリーの香りがおいしい


スタイリストのOさんへ
NYの老舗ファーマシー
O.C.Begelowの
オリジナル・リップバーム



カメラマンのRさんへ
NYの人気オーガニックコスメ
John MastersのLip Calm




いつも日本に帰る時に頭を悩ますのがお土産。何を買おうかという点もそうだけれど、その数が10にも20にもなると、やはり金銭的にもつらい。そして、限られたスーツケースの大きさを考えるとなるだけ軽くてコンパクトな方がいい。というわけで、最近もっぱらお土産の定番にしているのが、リップバーム。これだと、消耗品だし、冬の間だといくつあってもうれしい(私はそう)。しかも、スーツケースの隙間に詰め込めるので、数が少々あっても大丈夫。あげる相手によって、いろいろ選び分けてみるのも面白いと思う。

Do the Right Thing

Directed by Spike Lee (1989) 


これも有名な、スパイク・リーが撮ったBrooklynムービーの1本。Crooklynと同じく、Bed-Styで全編撮影されている。スパイク演じるMookieが、イタリアン・オーナーのピザ屋"Sal's"でデリバリーボーイとしてバイトしながら、その日暮らしをしているという設定。なんか、うちの近所のすぐその辺に転がっていそうなお話。日本に住んでいた時には、ものすごくフュージョンな世界として映った記憶があるけれど、今見るとBrooklynのこの辺で本当にありそうな、ご近所どたばた劇で、親近感を持って見れる。



9/13/11

New York Carnet de Voyage




Original watercolors by Ruben Toledo 
Design & Production by Louis Vuitton(1999) 


私がニューヨークへ行く事を沸々と考えているちょうどその頃、Louis Vuittonから発売されたCarnet de Voyageシリーズのニューヨーク版。私の大好きなイラストレーター、Ruben Toledo氏がスタイリッシュな水彩画で、ニューヨークの街を描いている。普段絶対に足を踏み入れることのない、Louis Vuittonのショップにて予約購入。それから2年後、ニューヨークへ旅立つスーツケースの中に入れてきた。


最初の見開きに、英語、フランス語、そして日本語であるメッセージ。私はこの本に、自分のノートやスケッチをいっぱいいっぱい書き込もう、そう決めた。


次の見開きのページにあるマンハッタンの地図。小さな赤い★マークが、私の最初のアパートメント。あれから10年…。もっと先のページに出てくるワールドトレードセンターがなくなって、少しずつ街の風景も変わった…。だけど、Rubenが切りとった個性溢れるニューヨーカー、そして街角で出くわすなんでもない街の風景は、今もそのままだと思う。


余談だけれど、ひょんなきっかけでこの本がebayに出品されているのをみつけた。なんと$1490という値段がつけられていた。wow !!!今、ちょうど新しいコンピューターが欲しいんだよな…。とは言え、落書きだらけのこの本を手放すつもりは毛頭ないけれども。





9/12/11

Jacks ¢99 store



私の思うNYの観光名所のひとつ。Jacks ¢99。日本で言う、100円均一シップ。靴下からとんかち、ベーグルから歯磨き粉まで、ありとあらゆる生活用品が揃う。クオリティーの善し悪しはこの際おいておいて、この商品のラインナップを見てまわるのがけっこう楽しい。庶民の生活をほんのちょっぴり垣間みれると思う。ちなみに、日本を訪れたことのあるアメリカ人の友人たちが、一番大フィーバーするのが、ダイソー。


Jacks ¢99 
110 W 32ND Street near Korean Town 


16 E 40th Street near Bryant Park 

An open letter to NYC




彼らもまた、Still Love New Yorkなのだと思う。
ニューヨークへの愛がつまったリリック。


An Open Letter to NYC(2005) / Beastie Boys 



Brooklyn, Bronx, Queens and Staten
From the Battery to the top of Manhattan
Asian, Middle-Eastern and Latin
Black, White, New York you make it happen

Brownstones, water towers, trees, skyscrapers
Writers, prize fighters and Wall Street traders
We come together on the subway cars
Diversity unified, whoever you are
We're doing fine on the One and Nine line
On the L we're doin' swell
On the number Ten bus we fight and fuss
'Cause we're thorough in the boroughs and that's a must
I remember when the Duece was all porno flicks
Running home after school to play PIX
At lunch I'd go to Blimpies down on Montague Street
And hit the Fulton Street Mall for the sneakers on my feet
Dear New York I hope you're doing well
I know a lot's happen and you've been through hell
So, we give thanks for providing a home
Through your gates at Ellis Island we passed in droves

Brooklyn, Bronx, Queens and Staten
From the Battery to the top of Manhattan
Asian, Middle-Eastern and Latin
Black, White, New York you make it happen

The L.I.E. the B.Q.E
Hippies at the band shell with the L.S.D.
Get my BVD's from VIM
You know I'm reppin' Manhattan the best I can
Stopped off at Bleeker Bob's got thrown out
Sneakin' in at 4:00 am after going out
You didn't rob me in the park at Dianna Ross
But everybody started looting when the light went off
From the South South Bronx on out to Queens Bridge
From Hollis Queens right down to Bay Ridge
From Castle Hill to the Lower East Side
From 1010 WINS to Live At Five
Dear New York this is a love letter
To you and how you brought us together
We can't say enough about all you do
'Cause in the city were ourselves and electric too

Brooklyn, Bronx, Queens and Staten
From the Battery to the top of Manhattan
Asian, Middle-Eastern and Latin
Black, White, New York you make it happen

Shout out the South Bronx where my mom hails from
Right next to High Bridge across from Harlem
To the Grand Concourse where my mom and dad met
Before they moved on down to the Upper West
I see you're still strong after all that's gone on
Life long we dedicate this song
Just a little something to show some respect
To the city that blends and mends and tests
Since 911 we're still livin'
And lovin' life we've been given
Ain't nothing gonna take that away from us
Were lookin' pretty and gritty 'cause in the city we trust
Dear New York I know a lot has changed
2 towers down but you're still in the game
Home to many rejecting know one
Accepting peoples of all places, wherever they're from

Brooklyn, Bronx, Queens and Staten
From the Battery to the top of Manhattan
Asian, Middle-Eastern and Latin
Black, White, New York you make it happen

パープルタウン

        パープルタウン/八神純子(1980年)
        演奏・メルティングポット


この曲がザ・ベスト10に13週連続チャートインしていたころ、8歳。小学校3年生。当時、この曲がニューヨークのことを歌っていることさえ理解していなかったけれど、キーボードを弾きながら歌うこの人が、とても格好よいと思った。当時ベスト10にランクインしていたアイドルたちとは全く違うビート、そして歌唱力だった。
ちなみに、彼女のデビュー当時からのバックバンドの名前がメルティングポット、だったということを最近になって知った。

ニューヨークみやげ#2

?
??

???



さて問題です。これはなんでしょー?
ホットドッグ。
アメリカーン・ブレックファスト。
ベーグル&クリーチーズ。
半分正解。これ、ダイカットされたポストカード。
いずれも、5番街のみやげ屋の奥の奥で眠っていた
一枚¢50ほどのカード。かなりツボ。

友達、会社の同僚…
おみやげって数えだしたらきりがない。
しかも、東京にはDean&Delucaもあれば
KinokuniyaにMeijiya、ソニプラもある。
せっかく重い思いをして、パッケージがつぶれないように
持ち帰ったチョコレートやらクッキーやらが
普通に買えちゃう…。

荷物にならなくて、安くて、おまけに喜ばれるおみやげの提案。
旅先から、ポストカードを出すのはどうだろう?
e-mailが主流になった昨今、
郵便ポストに届くダイレクトメール以外の郵便物は、
とても特別だと思う。

あ、その前にe-mailで住所を聞かなきゃいけないと思うけれど。

9/11/11

Crooklyn


Crooklyn (1994) / Spike Lee 


スパイク・リーのBrooklyn作品の中の1本、Crooklyn。私の住むエリアからそう遠くないBed-Stuyで撮影されたそう。70年代のBrooklynが舞台。ストーリーの主人公であるファミリーの住むブラウンストンのタウンハウスは、私が今住んでいる家の間取りとほぼ一緒。17年前に観た映画の設定とほぼ同じ場所に住むって、なんだか不思議…。この映画のサウンドトラックもよく聴いたな。

Mary J.


Mary J.と言っても、Mary J.Brigeのことではなくって、アメリカの超クラシックなピーナッツバター・タフィーMary Janeのこと。1914年から作られているこのキャンディー、パッケージがとにかくオールドファッション。故・大屋政子ルックな帽子&ミニのドレスのメアリーちゃんが、なんとも愛くるしい。味の方はというと、お土産に買っていったうちの母の感想は「芋飴みたい!」と。言われてみれば、日本の芋飴の味、そしてテクスチャーにとても似ている。よって年配の方のお土産にも喜ばれること間違いなし。


Necco社製 
Mary Jane Peanut Butter candy 

ニューヨークみやげ #1



なんてことない、アメリカで一番メジャーな大学ノート。だけど、この安っぽいざらっとした荒めの紙質は、日本ではなかなかないかもしれない。黒x白のマーブルが一番メジャー。たまに場末の¢99ショップで変わった色をみつけたりすると、ついつい買ってしまう。


Mead社製 Composition note book 


レアなパープルx白のマーブル

ニューヨーク散歩 / 司馬遼太郎


編集者のOさんに薦めて頂いて以来、愛読している司馬遼太郎の「街道をゆくシリーズ」。Book Offでみつけると、ちょこちょこ買い集めている。ニューヨーク編もとても面白かった。さすが、この人の切り口はともてユニークで、そこをピンポイントにぐいぐい掘り下げている。ブルックリン橋を考案し、工事監督したJohn Roeblingとその息子さんの話がとても興味深かった。


ニューヨーク散歩 / 司馬遼太郎
「街道をゆく」シリーズ39

ニューヨーク恋物語



ニューヨーク恋物語(1988)フジテレビ


全編ニューヨークロケの、今思えばかなりバブリーなドラマだったなーと思う。当時私は16歳、高校生。お茶の間で、家族とは見たくないドラマだった。お座敷のTVでこっそり一人で見ていたっけ。


ストーリーは、ニューヨークに暮らす様々な職種&ステイタスの日本人の間で繰り広げられる、恋愛&人生模様。当時は、そのストーリーに疑問も関心も全く持ってなかった。こちらに暮らすようになって、日本人の友人たちと「ニューヨーク恋物語」全編ノンストップ上映会なるものをやった。すると、このドラマの登場人物たちのシチュエーションや、ロケーションやら、かなりリアルに設定されていることを改めて知る。へー。


忘れられない台詞は、キャリアウーマンを目指す桜田順子扮する里美が、ブルックリンの安いアパートの部屋から対岸するマンハッタンを見て「成功してあっち側に行ってやる」とかなんとか言うシーン。
あれから20年以上経った今、こっち側(ブルックリン)もマンハッタン並みに家賃は高くなった。だけど、未だにキャリア思考の強い人たちはマンハッタンに住むことにこだわっているのも確か。今見ると、改めて面白いドラマ。


井上陽水の「リバーサイドホテル」が主題歌。ストーリーと同じくねっとりしつこくて、なんだか頭にこびりつく曲だったな…。

Mister Softee




ニューヨークの夏の風物詩。ミスター・ソフティーのアイスクリームトラック。このジングルが聞こえはじめると、あ、夏がきたと思う。そして、トラックが街から姿を消すと、夏の終わりを知らせる。決して、おいしいというわけではないけれど、毎夏何度かは必ず食べる。これを食べなきゃ夏がこない。そんな気がして。



utz truck


フォルクス・ワーゲンを10台見たらいいことある!
と言うジンクスじゃないけれど
このトラックを見かけると、なんかうれしくなる
私のラッキー・カー。


utz というポテトチップカンパニーの配達トラック。
大きなリボンのutz girlが、かわいいのだ。
ちなみにこのutz girl、名前はいくつも説があるけれど
どれもオフィシャルではないらしい。


この春に期間限定で発売された
New York Yankeesの27回目のワールドチャンピオンを祝った
リミティッド・エディションのUtzチップス。
Utzガールに、Yankeesのキャップ被って欲しかった、な。


Grand Central Station



ニューヨークで一番好きな場所は?と聞かれたなら
Grand Central Staionをあげると思う。
初めてコンコースに立った時、感動して涙がでそうになった。
大袈裟じゃなくって。
アーチ型の吹き抜けに跳ね返る喧噪が、
なんともドラマティックなのだ。
東西に向かってある階段の踊り場がベストスポット。

Man Push Cart


Man Push Cart (2006) 
directed by  Ramin Bahrani 


最近のニューヨークを舞台にした映画の中で、一番好きな映画。
ミッドタウンの朝の光景が、とてもリアルに切りとられていると思う。とても切ないイミグラント(外国人移住者)のお話。


どうでもいいけど、ミッドタウンでよく見かけるこのPush Cart。必要最小限の調理器具と道具が、実用的且つコンパクトにまとめられていると思う。この映画を観ると、無性に薄いアメリカンコーヒーが飲みたくなる。あの紙コップで。

Englishman in New York


Englishman in New York / Sting (1987) 
言わずと知れた、ニューヨークを歌った名曲のひとつだと思う。
昔はメロディーが好きだったけど、今はリリックも好き。
カラオケでよく替え歌を歌う。


Oh, I'm an alien
I'm a legal alien 
I'm a Japanese girl in New York

Pete Hamill




私がニューヨークに興味を持つずっと前、当時気になっていた他校男子が愛読していたPete Hamill。その人のことを知りたい一心で何冊か読んでみたけれど、その時はちっとも響いてこなかった。


ニューヨークに暮らすようになって、十数年ぶりに古本屋でみつけた。笑っちゃうくらい、全く内容を覚えていなかった。だけど今度は、面白いくらいに響いてきた。


今、彼はどうしているのだろう?




The Invisible CIty;A New York Sketchbook
Pete Hamill 


ニューヨーク・スケッチブック/ピート・ハミル 

バイブル





今から15年前。スタイリストの大先輩が貸して下さったこの本を片手に、初めてのニューヨークを訪れた。正確には、本のコピーを持って。大切な本を旅の途中で紛失したり汚すのが怖かったから。インターネットにもデジカメにも出会うずっと前の話。


ニューヨークのデリを中心に紹介されたガイドブック。食の専門である柴田書店から出版されたこの本は、文章も写真もかちっとしていて、専門書という趣だった。旅に出る前、蛍光ペンを片手に大量のコピーを熟読した。


朝、昼、晩…この本で紹介されていた店を食べ歩いた。もちろんその旅だけではまわりきれず、それから何度もニューヨークに通った。そして、気がついたらこの街に暮らすようになっていた。私がニューヨークを好きになる、大きなきっかけをくれた本。




ニューヨーク・デリ―ニューヨーカーの美味しい生活 /柴田書店
1991年出版



9/9/11

Greetings from NYC

vintage post card 1930-40s 


ニューヨークに住んでちょうど10年。
私が思うニューヨークについて、あれこれ書いてみたいと思う。
どうぞよろしく。